フィットの法則は、目的地までの距離と目標の大きさを基に、人が特定の目標に向かって手を移動させるときの行動予測に用いられます。
つまり、ウェブサイトにおいては理論的に以下の事象を予測出来ます。
①クリックしてほしいリンクの距離が現在マウスカーソルが存在する場所から近く、尚且つリンクが大きいほどクリック率が高まる
②クリックしてほしくないリンクの距離が現在マウスカーソルが存在する場所から遠く、尚且つリンクが小さいほどクリック率が低下する
①はコンバージョンに直結するリンクに、②はログアウトや退会など、クリックされることが好ましくないリンクに応用することが可能です。
例えばオバマ陣営は、アメリカの大統領選挙において、Eメールキャンペーンにフィットの法則を活用して総額500億円の寄付金獲得に成功しています。
上記の画像から分かるように、元々は退会を意味する「Unscribe」の文字が分かりやすく表示されていましたが、改善後はその文字が「Click」に、より小さな文字で表示されています。
選択肢を減らすことでコンバージョン率を高めるパラドックス・オブ・チョイスを逆手に取ってクリッカブルなリンクを2つから3つに増やしている点も見逃せませんね。
これによって、解約率は22パーセントにまで低下したことが伝えられています。