「A4」1枚アンケートで利益を5倍にする方法

岡本 達彦(販促コンサルタント)

プロローグ:これが、売り上げが上がったチラシ・DM・ホームページだ!

「売れる広告」と「売れない広告」の差は、お客様の気持ち(悩み、欲求、不安など)をよく理解し、チラシ・DM・ホームページに反映できているか、できていないかの差なのです。

「○○は売れるだろう」、「○○は売れないに違いない」という思い込みでつくっているから売れないのです。
もし、こう思っているのであれば、そういう考えは一切捨てるべきです。

「お客様が何を求めているのか」、「自社の強みは何なのか」を常に把握することが大切なのです。
そして、それが広告づくりの第一歩になるのです。

 

第1章:「A4」1枚アンケートを用いる5つのメリット

〔メリット1〕自分のお客様の購入プロセスが理解できる

売れるチラシ・DM・ホームページをつくる上で、自分のお客様の悩みや欲求を知ることは非常に重要です。
なぜなら、お客様の困っていることや望んでいることを解決する方法をチラシ・DM・ホームページによって教えてあげれば、誰でも喜んで買ってくれるようになるからです。

どんな美辞麗句でキャッチコピーを考えても、実際にお客様に購入を促した「生きたキーワード」には勝つことができません。
お客様が何に悩んで、それをどう解決したかという購入プロセスを検証し、お客様が次の行動にスムーズに移れるためのチラシ・DM・ホームページを考えること。
これこそが、本来あなたに合った広告の作り方なのです。

あなたのお店や会社のリピーターになってくれているお客様は、あなたの商品やサービスが、どういうプロセスを経て購入されるかということを実証した生き証人です。
だからこそ、お客様から購入プロセスを直接聞き取ることは、売れる秘訣をお客様から教えてもらうのと同じことになるのです。

ただし、単純に聞いても購入プロセスはわかりません。
なぜならば、お客様は自分の購入プロセスをハッキリと意識しているわけではないからです。
そこで活用してもらいたいのが「A4」1枚アンケートというわけです。

【購入プロセスを考えた例】
・こってりラーメンの前に建つ「脂肪吸収を押さえるウーロン茶」
・レンタルビデオ店レジ横の定価スナック

 

メリット2:「A4」1枚アンケートで自社の強みがわかる

自分のお客様の悩みや欲求を理解していないということは、別の言い方をすれば、自社の強み、つまり何を伝えればいいかがわかっていないことと同じことです。
たくさんのお客様を集められる広告をつくるには、まず自社の強みを発見することが大切なのです。

しかし、ここで勘違いをしてはいけないのが、自分で自社の強みを考えようとすることです。
残念ながら考えてもわかりません。
なぜなら、本当の強みとは無意識レベルにあるものが多いからです。
無意識レベルにあるので、いくら自分で考えてみても理解することはできません。

自社の強みは、お客様のプロセス、つまりお客様目線を知ることによって、初めてわかるものです。
それは自社がなぜ儲かっているかということを知ることにもつながります。

 

メリット3:「A4」1枚アンケートがあれば、広告の費用対効果を高められる

「A4」1枚アンケートがあれば、自社がターゲットとすべきお客様も、お客様の気持ちも、そのお客様の購入プロセスを初めから終わりまで把握することができます。

たとえば、「A4」1枚アンケートの中には、何によって自社の商品やサービスを知りましたかという質問項目があります。
このよな質問からは、ターゲットとすべきお客様がどういう情報媒体に触れて、自分の商品やサービスを知ったのかを把握することができます。

 

メリット4:利益が上がらない理由がハッキリとわかる

お客様の行動は、商品やサービスを提供している側からすると非常に重要な情報です。
なぜならば、お客様がどの情報が不足していて購入をためらったのかという情報は商品やサービスを提供している側は普通に商売していては知りようがないからです。

ところが、「A4」1枚のアンケートによって普段からお客様の購入プロセスを把握しておけば、間違った方向にサービスを展開したり、無駄な広告をつくったりすることがありません。
それは最終的に会社の収益体質を改善して、利益が増えるビジネスを展開できることにもつながっていくのです。

 

メリット5:販売促進戦略が立てやすい

自分がターゲットとすべきお客様がわかっていると、販売促進戦略を立てやすくなります。
なぜならば、自分の商品やサービスを絶対に買っていただけるお客様を探して、そのターゲットのお客様に対して、アプローチをかけていくだけだからです。
あとは、アプローチをかけていく人数を増やしていけば、利益はアプローチをかける人数に比例して増えていきます。

「A4」1枚アンケートを活用すれば、これが簡単にできます。
アンケートを実施して自分の商品やサービスを購入してくれたお客様の購買パターンを読むことができるのです。

そして、自分の商品を購入してくれるパターンを持ったお客様をできるだけ多く集めて、集めたお客さmに対してチラシ

DM・ホームページでアプローチをかければ、喜んで購入してくれるので自然と利益は上がっていきます。

販売促進というと難しく考える人が多いのですが、「A4」1枚アンケートでお客様のパターンを見つけて、そのパターンに合致する人を見つけて、チラシ・DM・ホームページでアプローチをかけるだけ。
本質は非常にシンプルなものなのです。

 

 

第2章 これが岡本式「A4」1枚アンケートだ!

岡本さんは販促コンサルタントとして独立してからも、クライアントの商品やサービスの魅力を探り当てるために、まず、現場に行ってお客様に聞くという姿勢を貫いてきました。
これは、ホンダのディーラーの販売促進に携わっていたときに、あるホンダディーラーの社長、故・三好憲夫さんをはじめ多くのホンダディーラーの経営者から常に言われ続けた三現主義(現場・現実・現物)があったからなのです。

「答えは常に三現にある」

湯集なホンダディーラーの経営者は、みな同じことを言っていました。
そして、週末は本社ではなく、必ずディーラーの拠点を回り、お客様の状況をつぶさに観察していきました。

当時社長の三好さんは、さらに直接お客様のところまで行き、名刺を渡しながら、

「なぜ、他のクルマではなくこのクルマを選んでくれたのですか?」

「なぜ、他のメーカーではなくホンダを選んでくれたのですか?」

「なぜ、他のディーラーではなく自分の所で買ってくれたのですか?」

といったことを店長や営業マンに任せるのではなく、社長自ら確認していました。

 

こんなアンケートではお客様の購入プロセスはわからない

事例1 感想を書かせるアンケート

使った感想は、その商品やサービスが「よい」、「悪い」かを客観的に知ってもらう証拠にはなるのですが、購入プロセスがまったく見えてこないのでせっかくアンケートに答えてもらっても、広告づくりには不十分なのです。

 

事例2 質問の量が多すぎるアンケート

一般的に、調査員がアンケートの項目を読み上げて、それに対してお客様が答える形式の調査可能時間は、5分が限度といわれています。

一方、お客様がお店や会場に来られて、お客様自身でアンケートに記入する形式の調査可能時間は、10分が限度といわれています。
この時間内に収められるようにアンケートの質問をつくるのがポイントになります。
つまり、回答するのに20〜30分かかりそうなアンケートはお客様の負担が大きいのです。

 

事例3 負担を軽減しているつもりのアンケート

アンケートの質問は、お客様に自由に回答してもらう「自由回答形式」とお客様に選択肢を選んでもらう「選択形式」の2つの種類があります。

たしかにお客様の負担は軽減しますが、お客様の購入プロセスはくしたアンケートからは読み取ることができません。
サービス品質の平均値はどのくらいか、または、自社のサービスの品質のバラツキはどのくらいあるかなどを調べる場合には適していますが、どのような理由で、サービスを利用したいのかということまではわかりません。
これも広告づくりの素材としてはあまりいいものではないでしょう。

 

事例4 スタッフのモチベーションを上げるためのアンケート

 

これが岡本式「A4」1枚アンケートだ!

〔工夫その1〕お客様に嫌がらずに書いてもらえるサイズである。

10分程度でアンケートに記入してもらえるには、「A4」1枚が限度です。
これ以上の用紙サイズや枚数になると、10分程度では記入しきれなくなります。

 

〔工夫その2〕お客様の心理の流れに沿った質問を採用している

アンケートの質問は、お客様が購入をしようと考えてから、実際に購入した後までの5つの心理段階に合わせて、お客様の購入プロセスと同じ順番で構成されています。

 

〔工夫その3〕印刷代の節約ができる

母集団の数を増やすためには、より多くのアンケート用紙を印刷する必要がありますが、そんなときでもアンケート用紙が1枚で済むのであれば、印刷代を節約することができます。

 

〔工夫その4〕すぐ実践できる

「A4」1枚のアンケートは、「タイトル」、「アンケートの趣旨」、「質問項目」、「声についての多媒体への転載の許可欄」、「住所氏名記入欄」の5つの要素で構成されています。
思い立ったらすぐ実行できる、その手軽さも魅力のひとつになっています。

 

「A4」1枚アンケートで知るお客様の購入プロセス

自社の強みを知るときや売れるチラシ・DM・ホームページを作るときには、そうした多項目選択式のアンケートは、あまり約に立ちません。

なぜならば、本当に把握しなければならないのは、アンケート作成者の思い込みで作られた思想回答ではなく、「お客様の心が購買行動によって、どうやって変化していくか」という心理プロセスそのものだからです。

「A4」1枚アンケートの5つの質問は次の通りです。

Q1 第1段階:欲求発生「商品を買う前に、どんなことで悩んでいましたか?」

Q2 第2段階:情報収集「何で、この商品を知りましたか?」

Q3 第3段階:購入不安「(商品名)を知ってすぐに購入しましたか?もし購入しなかったとしたら、どんなことが不安になりましたか?」

Q4 第4段階:購入実行「いろいろな商品がある中で、何が決め手となってこの商品を購入しましたか?」

Q5 第5段階:購入評価「実際に使ってみていかがですか?」

 

それでは、ここで5つの質問項目の意図を順番に説明していきたいと思います。

〔第1段階〕欲求発生(〜で悩んでいる、〜したい、〜が不便)

このステージは、お客様の商品購入への欲求が発生するステージです。
お客様に何らかの悩みや欲求がなければ、どんなによい商品であっても購入しないはずです。
お客様は商品やサービスを購入する前に必ず何かに対して悩みや欲求を持っています。

 

〔第2段階〕情報収集(何かの媒体でその商品、そのサービスを知る)

このステージでは、その問題を解消するために、解決策を探す段階です。
インターネットで調べたり、商品の特集をしている雑誌を購入したり、広告を集めたり、友人に相談するなど、情報を収集します。

 

〔第3段階〕購入不安(買おうか、買わないか悩む)

3番目のステージは、購入に際して不安が出現するステージです。
たとえば、100円ショップで売っている商品など安い物であれば、商品を購入しようと決心しても、さまざまな不安が出てきて躊躇してしまいます。

 

〔第4段階〕購入実行(〜だから買おう)

このステージは、さまざまな情報を分析し、購入に対する不安を克服した結果、最終的に購入の決断を下すステージです。
貴重なお金を使うのだから、商品を購入するには、購入するに値する部分や理由が存在します。

その際、重要になるのが、他社製品との違い、つまり強みです。
これらが決め手となって、購入が決断される場合が非常に多いので、他商品や他社との違いや強みが明確でない場合は、購入に至りません。
よく自分には強みがないという方がいらっしゃいますが、購入したお客様がいるということは必ず強みがあるということです。

 

〔第5段階〕購入評価(今は〜だと思っている)

このステージでは、お客様が自分自身で購入した商品に対する評価が行われます。
商品購入後にお客様は自分の買ったものを後悔したくないために、商品を改めて調べて、さらに大きな満足感を得ようという心理効果が働きます。
こうした心理を心理学では、「認知的不協和を避ける心理」と教えています。

この段階では、お客様はその商品に対して何らかの感想を持っています。
この段階でお客様に満足感を得てもらうことによって、お客様はあなたのお店や会社のリピーターとなるわけです。

 

お客様の声を知るというのは、この5つの心理段階に対する答えを知ることをいいます。
私は多くの経営者とお会いする機会が多いのですが、成功している社長さんやお店のオーナーさんのほとんどが自分のお客様の5つの心理段階に対する答えを知っています。
だからこそ、お客様が望んでいる場所や時間、タイミングに、お客様が望んでいる商品やサービスを提供することができるのです。

一方で、売り上げが上がらず困っている社長さんやお店のオーナーさんのほとんどが、自分のお客様の5つの心理段階に対する答えを素人していません。
そのため、お客様の望んでいること、困っていることがわからずにまったく違うことを行ってしますのです。

 

 

基本コンセプトシートで簡単に「自社の強み」を知る

「チラシ・DM・ホームページ基本コンセプトシート」とは次のようなものです。

(②強みを伝えるのに使う利用媒体/Q2の回答)
「(①悩み/Q1の回答)を持っていませんか?」
あなたと同じように(①悩み/Q1の回答)を持っていた人が、この商品(サービス)を購入して、今では(⑤感想/Q5の回答)と思っています。
この商品は(④決め手/Q4の回答)がお勧めです。
とはいっても、(③すぐに買わなかった理由/Q3の回答)が不安ですよね。
そこで当社(当店)では、○○○という特典や対策を用意しました。
まずは、お問い合わせてください。

「A4」1枚アンケートの回答を基本コンセプトシートに当てはめるときに注意しなければならないことがあります。
それは、「一般的回答」はあまり参考にしないということです。

なぜならば、競合他社と差別化ができないからです。
自分の強みとして表現する際に、最も多いキーワードやリアルな言葉を拾うように心がけてください。

 

 

お客様の購入不安をどうやって解消するのか?

「A4」1枚アンケートのQ3の回答は、お客様が購入に際して不安に思う点です。
一般的にお客様は、広告を見てもすぐには購入せずに、

「もう少し詳しく聞いてみたい」
「一度使って試してみたい」
「本当にそのとおりになるか確かめたい」
「今、お金がない」
「壊れないか、使いこなせるか」

といった不安を感じます。
このような不安に対して、リスク対策を講じておくことが必要になります。

 

欠点を包み隠さず伝えると逆に信用される

商品やサービスに関する欠点やリスクをこちらが早めに認めたり、隠さず伝えることで、逆に信用されるという心理法則があります。

たとえば、デザイン的に不格好なレッグウォーアーがあったとしましょう。
その不格好な理由が、遠赤外線の効果を高めたり、空気を逃さない効果があったりするということであれば、しめたものです。
積極的にデザイン上のデメリットをアピールする代わりに、その効果の高さについて詳しく検証していけば済む問題です。
そうすることで、逆に信用されることもあるのです。

 

何人のお客様に「A4」1枚アンケートを実施するべきか?

「A4」1枚アンケートは、統計解析のデータ元として活用するのではなく、利益を5倍にするための広告をつくるために活用するのですから、何人のお客様にアンケートを実施すればいいのかという明確なルールはありません。
しかし、私の経験則から申し上げますと、100人ぐらいのお客様にアンケートをとると、共通するキーワードや自分のお店や自分の会社のターゲットとすべきお客様が見えてきて、自社の強みがハッキリわかってくるようです。

お客様の分析は全体の2割から行う

アンケートの質問はすべて自由回答なので、初めて「A4」1枚アンケートを実施して、集計する場合、アンケートの7〜8割は雑多な意見である場合が多いです。
残り2〜3割は、方向性が統一された回答が得られると思います。
分析はこの2割を中心に行います。

分析といっても難しいものではなく、アンケートから最も多かった言葉を抽出して、まとめる作業をするだけです。
雑多な意見が多くなるのは、それだけ自分のお店や自社の方向性やメッセージがブレている証拠ですから、最初はやむを得ないと思います。
自分のお店や自社の強みがわかってきて告知していくに従って、アンケートの回答は統一されてきますから安心してください。

 

 

第3章 利益が5倍になるチラシ・DM・ホームページはこうつくれ!

チラシ・DM・ホームページの基本構造を知ろう

商品やサービス、または媒体やスペースによって省く項目も出てきますが通常は、

要素1 ターゲットコピー
要素2 キャッチコピー
要素3 ボディコピー
要素4 提供する商品やサービスの詳細
要素5 裏付けとなる証拠
要素6 リスク対策
要素7 行動喚起
要素8 お問い合わせ

の8つの要素から組み立てられます。

 

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